虫垂炎⁇ 盲腸⁇
こんにちは☆
今回は、『虫垂炎』
について勉強していきましょう。
ところで、『盲腸』と『虫垂』の違い、理解していますか?
この図を見てみてください。小腸から上行結腸(大腸)へ食べ物は移動していきます。
しかし、従来の食べ物の道とは異なり、下に、盲腸という、行き止まりの大腸の一部が存在します。
その盲腸にくっついている、ミミズのような臓器が、虫垂です。
腸の一部ですから、腸の細菌が虫垂で炎症を起こすと、虫垂炎という病気になります。
よく、『盲腸になった!』と聞くと思いますが、厳密には間違っており、虫垂炎が正しい診断名です。(実は盲腸という病名はありません❗️)
大腸や小腸で炎症を起こすと、これがいわゆる腸炎です。
しかし、盲腸と虫垂のつながりのトンネルはとても狭く、ひとたび炎症を起こすと虫垂に穴が開いてしまうことがあります。
虫垂炎は誰にでも起こり得ます。
なんでかって?腸には腸内細菌がいるからです🤨
症状は、
右下腹部痛というのが典型です。お臍の右斜め下のマックバーニー点というところに虫垂は位置しているので、その場所が痛くなります。その他にも、炎症の影響で、みぞおちが痛くなったり、吐き気が出たり、発熱が出ることも多いです•••
虫垂の炎症が軽い場合は通院で抗生剤の治療で良くなることも多いですが、重度の場合は入院が必要になります。
特に、炎症がひどく穴があいてしまったりすると、『虫垂周囲膿瘍』という、周りに膿の塊を作ってしまう状態や、『腹膜炎』といったお腹全体に細菌の感染が拡がり、重症になることもあります。一重に虫垂炎といっても注意が必要です😔
この虫垂炎という病気ですが、『右下腹部痛』というキーワードが有名なので、右の下っ腹が痛い時は虫垂炎をまずは疑うことが多いです。
し、か、し❗️❗️
実は右下腹部が痛くなる病気はたくさんあります。
特に•••••
若い女性❗️
月経痛
子宮外妊娠
卵巣出血
卵巣捻転
など、、
これら婦人科疾患が原因となっていることがあります❗️
虫垂炎だと思ったら子宮外妊娠だったら大変ですよね••••
だから私たち外科医は、常にこれらの可能性も考慮して、状況によっては婦人科の先生に診察をお願いすることも多いんです^ ^
私の経験では、近くのクリニックから虫垂炎の疑いで紹介があった患者さんのうち、4割くらいが虫垂炎以外が原因でした。
婦人科疾患以外にも、
憩室炎(腸にできた小部屋にばい菌が炎症を起こしてしまう)
腸炎(食あたりなど)
などは原因として非常によく見かけます。
あとは、稀ではありますが、虫垂炎の原因として大腸癌が見つかることもあります。
なので、虫垂炎が治癒しても、40歳以上の方には大腸カメラを行うことを勧めています。
どうでしたか⁇
盲腸と虫垂の違いは理解できましたでしょうか⁇^ ^
次回は、虫垂炎の治療法(入院は必要?手術は必要?治療期間は?)
についてレポートしたいと思います😊
ご質問があれば丁寧にお答えしますので、どんどんコメントに頂ければと思います^ ^